論文キーワード: 機能評価 17件

機能評価の詳細ステップである機能別コスト分析については、個々の構成要素のコスト をそれぞれの機能分野に各種の配賦計算で配賦することになっている。 本論文では、各配賦計算の使用実績について過去の VE 全国大会や西日本支部(関西地 区)の VE 活動事例を調べた。その結果、機能別コスト分析の記載のあった事例のほとん どが貢献度評価による配賦であった。さらに、各配賦方法の長所と短所をまとめてみた。 しかし、これらの評価はどうしても主観的になり、よりどころを明確にできない問題が あった。その改善策として重みづけ基準による配賦計算に機能の定義カード枚数による重 みづけ基準を付加することで、機能別コスト分析の合理的な基準にしようとするものであ り、事例による有効性の検証結果を報告するものである。

VE実践活動において、基本ステップ「代替案作成」の詳細ステップ「詳細評価」については、『新・VEの基本』1)によると「技術性の詳細評価」と「経済性の詳細評価」で評価することになっている。複数案作成された提案について「技術性」と「経済性」の二面から評価することは、提案の実効性を評価する重要なステップであり、科学的な意思決定が必要とされる。しかし、VEプロジェクトの置かれた制約条件を多面的に分析し、将来のリスクを含めた適切な詳細評価をすることは、従来の詳細評価では困難であった。

そこで本論文では、『新・VEの基本』や過去のVE研究資料、VE事例等から詳細評価の内容を精査し、その改善策として従来の詳細評価に『新・管理者の判断力』2)で紹介された「ケプナー・トリゴープログラム」(以下、KT法という)を組み合せて評価する方法を提案するとともに、事例による有効性の検証結果を報告する。

公共事業に対する国民の批判や不信感は、相変わらず根強い。この原因として、地域の人々のニーズを十分にくみ取ることができないことや、計画策定手順が不透明になりやすいことなどがあげられる。

そこで「県民が何を必要としているのか」「使用者が求めているのは何か」を把握し、「公共事業が見えるようにする」ため、計画の早い段階から住民の意見を聞きながら計画を策定する県民参画が、公共事業の現場で、導入されている。

一方、国や地方公共団体で、公共事業の設計段階におけるVE(以下「設計VE」という)が導入されている。設計VEの導入目的は、地域のニーズに応じた設計、使用者の立場に立った設計など、公共事業をよりやすく、より価値の高いものとして提供していくことにある。

本論文は、「機能」という言葉で、「県民参画」と「設計VE」を結びつけ、地域住民が求めていることを事業の設計に反映する手法を紹介する。

VEは、製品やサービスの機能をその研究対象とし、その機能とは顧客にとって必要な機能でなければならない。

機能本位のVE活動によって、限られた経営資源を重点分野に効率的に配分する上で、価値向上余地による判断材料を提供し、改善対象とする機能分野を選択する重要な段階が機能評価の段階である。いわば機能評価によりVE活動の方向が決定されるのである。

本研究では、このVE活動の方向を決定する重要な機能評価のステップに消費者行動分析を適用、顧客の立場で機能を評価し、顧客満足の実現を目指した。分析手法にはコンジョイント分析を採用、アンケート調査による実証とその有効性について考察を行った。

本研究は競合製品が多々ある成熟製品を対象として、次期改良型の新製品を開発するときの製品コンセプトづくりに不可欠な顧客情報を作成し提供する新しい方法論を明示するとともに、その有効性を明らかにしたものである。それは2つの部分から構成されている。

第1は、現状の機能に対する顧客評価により、当該製品の主要な機能の改善対象を明らかにするものである。第2は、この改善対象機能を具体化した方式案を組合せて製品設計案を複数考案し、これらの案に対する顧客の選好を調査した上でコンジョイント分析を行い、得られた情報を製品コンセプトテーブルにまとめるものである。

また、製品コンセプトテーブルを顧客層別にセギュメントして複数作成し、これらの情報を活用して、顧客層別に顧客満足の高い新製品開発を行わせるものである。

一般的に、数多くある競合製品において、製品差別化のために複数の付加機能が追加されるが、これらを合理的に金額評価する研究はさほど進展していない。本研究は付加機能が複合化させることによって生じる相互効果を、相互効果額・相互効果額比・相互効果認識率の3つの指標を用いて具体的に金額評価する方法を提案し、その有用性を明らかにするものである。

これらの評価値を総合的に活用することにより、戦略的な製品コンセプトづくりや標準的売価決定の基幹となる予測売価の算出、さらには原価目標の設定などに効果的に活用できることを明らかにするものである。