論文カテゴリー: マネジメントとVE 58件

経営改革手法として、製造業を中心に成果を出してきたバリュー・マネジメント(VM: Value Management)であるが、非製造業と呼ばれるIT企業や商社、保守、飲食などのサ ービス企業でも、バリュー・マネジメントによって、効率的な業務と価値ある新サービス の創造で企業価値の向上に取り組む企業が増加している。成熟化する国内市場では、「モノ からコトへ」の消費の変化によって、今後もサービス企業は増加が期待される。 そこで、サービス業の経営改革手法として、より効果が出るように、ワークアウトや Fast Works といった経営改革手法とバリュー・マネジメントを融合させた、新たなバリュー・ マネジメント手法(顧客指向バリュー・マネジメントVMC: Value Management for Customers)を開発した。より高い満足を迅速に顧客に提供するために、効率的な業務と価 値ある新サービスの創造を加速し、企業価値を向上させる経営改革手法である。

コスト競争力の強い新製品をつくるためには、「原価企画活動を主体的に進める開発設計者だけでなく、この活動を支援し、開発設計者と共同推進する部門とり わけ原価企画を行う部門の強化が必要である。その役割は、対象製品に関連するメンバーを選定し、目標原価達成に向けた方向性を示し、確実に目標原価達成に 導くことである。すなわち、この部門が原価企画を効果的に支援し共同推進できる力(以下、原価企画支援力、略して原企支援力と呼ぶ)を持ち、個々の原価企 画対象製品に対して原企支援力が十分に発揮され目標原価達成に向けて効果的に活動ができていることが最も良い姿である。そこで本論文では、次の2点につい て述べる。第一は、原企支援力の評価基準を作成し、現在どの程度の支援力があるのかを把握する方法である。具体的には、原企支援力に対して評価対象を決 め、そこから評価項目を決定していき、評価方法を確立し、それに従って基準を作成する。そして、その基準に基づき評価指標(以下、原企力指標と呼ぶ)を作 成することである。第二は、原企力指標の向上施策を立案し実行することにより、個々の原価企画活動を高度のレベルで実施できるようにすることである。この 指標を自動車部品業界の原価企画活動に活用してその有効性を述べる。

日本の経済成長の背景には、製造業の発展が大きく関係している。その発展にVEの存在は欠かせないものである。戦後復興に大きな役割を果してきたとも言える。一方で、製造業以外の一般企業では、VEの考え方を企業経営に導入して発展をしている企業はあまり多くない。むしろほとんど見当らないのが残念である。

VEの最大の特徴は、機能的研究法、すなわちファンクショナル・アプローチにある。その考え方は、企業経営を助ける優れた考え方である。多くの企業が行っている現行の経営に直ぐに導入できる程、汎用性が高いものである。例として、SWOT分析、3C分析、4P理論、ブルーオーシャン戦略、パーキンソンの法則、ピーターの法則を挙げる。

そして、企業経営に必要な4つ(経営、営業、管理、改善)のシステムを提案し、そのそれぞれにファンクショナル・アプローチを組み込んでいくことで、これからの時代を生き残る企業としての経営上の示唆を与える。

経営者やプロジェクトリーダーの多くは、限られたリソースをどのように配分し、全体の価値を最大にすることを常に考えている。筆者は、限られたリソースの配分を最適化し、価値を最大にするテクニックを開発した。

VEは、問題解決に優れた方法論である。それを、経営やプロジェクト全体に適用するためには、複数の問題解決を同時にマネジメントする必要がある。全体の価値は、個々の価値の総和ではなく、リソースの総和と機能の達成度の総和の比であるということを、図で表すことができた。その図が価値管理曲線(Value Management Curve)である。

価値管理曲線を身に着けることで、企業やプロジェクトの特徴を分析することができると同時に、多くの経営企画や事業企画の一助となるものである。

顧客ニーズの多様化や製品ライフサイクルの短期間化に対応するため、製造業各社の開発製品数は急増し、製品開発プロジェクト価値をいかに向上させるかが重要な課題となっている。そこで、多数の開発プロジェクトにおいて、プロジェクト価値向上のためにバリューマネジメントをいかに行っていくか、またいかに組織展開していくかについて提言する。VE技法とプロジェクトマネジメント技法とを融合させた新たなバリューマネジメント技法について述べる。

戦略としてVE活動を行おうとする場合、経験豊富なVEL資格取得者がおり推進体制があるにも関わらず、最適にVE活動が行われない場合が見受けられる。この事象は戦略を実行に移すための仕組みであるマネジメントコントロールシステムの不備が原因であると考えられる。

組織が求めている適切なVE活動が行われている状態をE=1、VE活動を行うために必要な資格や経験などの能力と体制がある状態をC=1、VE活動メンバーや関係者にとって、VE活動を自ら進んで行いたいと思う状態をW=1、VE活動を行わねばならない状態をS=1として、それぞれの状態の関係をE=C∩(W∪S)とする。この式を事例に当てはめ、マネジメントコントロールシステムの視点からVE活動の阻害要因を分析し、対処法を検討した。このような、マネジメントコントロールシステムを活用した効果的なVE管理をVEコントローラーシップと呼ぶことにし、本論文ではE=C∩(W∪S)のうち、S=1を作り出すことで効果的にE=1とするVE管理について一般化することを試みた。

近年は、VEチーム活動を後戻りさせることなく長期的かつ確実に改善し続けるVEチーム活動のレベルアップ(以下単にVEチーム活動レベルアップと言う)が企業または経営上に必要となってきた。この背景には、人から人へVEノウハウを伝えることが多く、IT(Information Technology)などを単に活用するだけではVEチーム活動レベルアップの効果が低く長年VEを実施していても必ずしも活動がレベルアップできていない現状があった。そこで本論は、ナレッジマネジメント(Knowledge Management以下KMと言う)の基礎理論を活用した長期的かつ確実なVEチーム活動レベルアップを実施する手段として以下の特徴を有する具体策を提案する。

本論の最大の特徴は、KM活用による①VE実施手順を中心とした新しいワークスタイルを作り、②新たな知識・ノウハウを抽出・活用しVE実施手順各ステップの活動内容をVE適用対象や段階に応じて改善し続けることにある。具体策概要として、①コミュニティ性のある電子的に共有化されたVE実施手順を用意し、②この実施手順を起点にVEチーム活動を行う、③活動に効果的な新たな知識・ノウハウを抽出・活用し、④実施手順各ステップにおける活動内容の継続的改善を行う、ことを提案する。

昨今の製造業においては、競争環境の激化が進展し、自社内の保有資源だけでは競合他社との差別化を生み出すことが困難であり、コアの資源以外については如何に外部資源を獲得・活用するか、が企業価値を革新するための重要なファクターになっている。

本論文では、製造業の企業が企業価値を向上させるための経営課題として新規事業開発や新商品開発を検討する際に、技術のもつ「機能」と「条件」に着目して、機能的な観点を応用活用することにより、自社のコア技術(自社優位性の源泉となる中核技術)を明確化し、新規事業・新商品開発のために必要な技術開発の方向性を設定する方法論について述べる。また、新規開発のために必要であるが、自社コア技術と領域が離れている技術、または自社開発が困難な技術について、如何に協業候補先の保有技術を分析し、自社の開発とのシナジーを創出し得る技術獲得を実現させるか、について、ここでも機能的な観点を応用しながら検討していくステップについて事例を織り交ぜながら、その有効性を示していくものである。

VEは製品の価値向上を図るツールであると言われているが、換言すれば顧客満足度向上と企業満足度向上の両者に寄与するものであり、その両者の向上を表すには価格(P)の関与が不可欠であることを数式を用いて説いた。またCSは一般に顧客満足度向上(Customer satisfaction)のみに使われているが、もう一つの意味合いとして企業満足度向上(Company satisfaction)のCSでもあるとし、両者の関係およびV=F/Cとの関係をも図解して明らかにした。このように両者のCSとVの関係を表現することでVEが企業経営になぜ必要か、自明の理とした。さらにCS向上活動の概要と組織、責任について多少触れた。後半には、CSの定量的評価はどうあるべきか、まず使用品質分析法を引用して機能(F)の定量的評価を示した。しかし、Fの評価は時々刻々変わる環境や顧客期待値の向上によっても変化するもので、価格(P)のダウンはまさにFの評価にリンクするものであり、顧客満足度はこのPの操作で維持されるのであるとの見解を述べた。

小型メカトロ装置の設計開発については、従来の高度成長期の開発装置は、ともすると設計者各人の技量が装置全体に提案され、顧客の真の要望は二次的要因であった。顧客満足度を追求した装置を開発製作するための手法として、設計者が開発段階で行うDR(デザインレビュー)とVE(バリューエンジニアリング)の仕掛け仕組を一体化し、ISO環境等をも加味し、チームデザインで行った「M-VM手法」(以下説明)を実践し、各メカトロ装置の開発をすることにより、装置全体のスキルアップと顧客の満足度向上と信頼性の向上を得ることができた。その結果、プリンターメーカーの自動化装置、公共のETC用遮断機の受注展開、駐車場システム装置への応用、半導体画像検査装置への進出、環境関連システムの受注に繋がり、その部門のスキルアップとマネジメントの構築が図れ貢献できたので、ここにメカトロ装置開発のリニューアル化とマネジメントについて述べる。