産業用電子機器の戦略的VAアプローチ

論文

一般に商品の成長パターンは,開発→成長→成熟→衰退に至るまで,図-1のように一様のパターンをたどる。新開発の商品は,開発された当初は生産量を少なく,高価であるが,ユーザ一層も多くなり,需要量が増すに従い,低価格となり,その低価格が,更にユーザ一層を増加させる。一方では,新規参入のメーカー数も増加し普及率が向上するというパターンで推移するが,このパターンが最も良く表われているのが民生用商品であろう。

産業用電子機器では,普通,需要層が限られており,民生用電子機器ほどには需要の急速な拡大が図れないという壁があり,生産量の伸びや,製品サイクルの長さ,価格の推移のしかた等が,図-2のように,かなり異なっているのが通例である。

しかしながら,最近のファクシミリやOA機器にみられるように,明らかに民生用マーケットをねらった需要が開拓され,民生用電子機器に似た傾向が出始めていることは注目に値する。

本論では,産業用電子機器の発想を転換して,いかに民生用機器のレベルに近づけていくかという民生指向の戦略的VAアプローチの一方法について述べる。

目次

  • 1. はじめに
  • 2. ニーズの追求と分析
  • 3. VAのねらい
  • 4. コスト要因の分析
  • 5. VAの展開
  • 6. VAの成果
  • 7. むすび

発行年

1982年 VE研究論文集 Vol.13

著者

日立電子株式会社
資材部
寺沢実

カテゴリー

  • 開発設計とVE

キーワード

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