論文
VEの特徴の一つに「顧客本位の考え方」がある。建設設計を行う上でも,顧客抜きには考えられない。
日経アーキテクチャーが,法人に「今後,建築家,設計者にどのような面でその能力の発揮を期待するか」を質問したアンケート資料がある。その結果の上位3つを列記してみると
①コストに対する認識の高揚
②施主の意図を的確に把握する能力
③発注者が全面的に信頼して任せられる体制の整備の順となり,今回の論文を考えて行く上でのメインテーマとした。
この論文では,これをかみ砕いて,次のような方法を考えた。
①営業・建築設計担当者が,顧客ニーズの確認のための「顧客ニーズ確認書」を作った。
②その顧客ニーズ調査より,ニーズを機能定義するための「顧客ニーズ機能定義変換シート」を作った。
③建物の基本機能に,ニーズよりの機能を加え機能系統図を作る。
④対象機能分野を選び,その機能別コストを算出する「VE顧客ニーズ機能評価表」を作った。
以上のワークシート等を作り,既設のVEステップを加えた。
この方法を使って設計を行うと顧客にも喜ばれかつ社内シーズにも応えることが出来たので提言する。
目次
- 1. まえがき
- 2. 現状の建築設計VEの問題点
- 3. 顧客ニーズ確認から機能系統図
- 4. 機能別コスト算出から目標コスト決定
- 5. 展開例
- 6. おわりに
発行年
1986年 VE研究論文集 Vol.17著者
- フジタ工業株式会社
仙台支店 VE推進部 - 小林亘
- フジタ工業株式会社
仙台支店 建築部 - 箱崎征孝
- フジタ工業株式会社
仙台支店 建築部 - 伊藤均
カテゴリー
- 開発設計とVE
キーワード
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