2時間VEの拡大展開について

論文

新たに価値ある製品やサービスを考えだすための標準的VEWSSでは、改善想定金額の比較的大きなVE対象テーマであれば、機能的研究法であるVE実施手順を着実に実践することで価値向上やコストダウンの成果をあげ、投資倍率を10倍以上とすることも可能となる。しかし、改善想定金額の小さなVE対象テーマにおいて同様のステップで実施すると、得られる成果に対する投資倍率は低くなり、標準的VEWSS参加者のモチベーション低下になることが多々みられる。また、近年においてはスピードを要求される時代の流れと、生産性を高める視点から、少ない人員で他の管理技法も同時に実施する必要があり、小さなVE対象テーマにおいては、標準的VEWSSの考え方を遵守しながら必要最小限の手順と短時間で簡単にできる方法が求められている。現在、有効な成果が得られる短時間VE手法としては「3時間VE」「WAVE法」などがあるが、それぞれ一長一短がある。本論文では実証活動による有効性の検証をもとに、簡易型VE手法である2時間VEが広がりつつある現状を分析し、この手法が日本における簡易型VE手法の一つの型となり、より使いやすく長い間使用者に使用してもらえるようにするためにはどうすべきか述べるものである。

目次

    • 1.はじめに
    • 2.2時間VE手法の開発から確立
    • 2.1 2時間VE手法の開発経緯
    • 2.2 2時間VE手法の開発の考え方
    • 2.3. 開発の考え方に基づく2時間VE手法
    • 2.4 仮説からの2時間VE手法を検証し手法を確立する
    • 3.2時間VE手法の公開後の実証活動
    • 4.2時間VE手法から派生した事例分析
    • 4.1 2時間VE手法から派生した事例分析
    • 4.2 2時間VE手法から派生した事例分析の考察
    • 4.3 2時間VE手法の発注者側への拡大
    • 5.2時間VEを実施する上で今後使用者に『使いやすく長い間使用してもらうように
      するためにはどうすべきか』
    • 6.おわりに

発行年

2011年 VE研究論文集 Vol.42

著者

株式会社フジタ 名古屋支店
建築技術部
部長
川上 雄史 VES

カテゴリー

  • VEの適用局面

キーワード

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