論文カテゴリー: VEの適用局面 118件

鉄道はさまざまな要素技術から構成される労働集約産業であり、相互に綿密に関連し合う要素技術を分解すると、さまざまな業態の集合体といえる。これらの各分野に「いかにVEを適用するか」「どのように活性化するか」について検討・実践してきた結果、鉄道業に適したVEを展開し、成果も毎年創出するに至った。

そこで、VE展開方法を他業種(製造業など)と比較検討し、輸送サービス業におけるVEの考え方とVE展開の特徴を述べる。

政府、地方自治体では財政面での逼迫を受けて、公共事業のコスト縮減施策や価値向上対策の一環としてVEの取り組みが活発な動きをみせている。公共VEは事業予算の有効活用と納税者、利用者に満足感を与える画期的な手法であるが、成果を生み出すためには運営体制の確実な整備と個別プロジェクト単位での推進マネジメントが重要な鍵となる。本論文では、地方自治体でのVE導入と個別プロジェクトの本格的なVEワークショップでの活動実績を踏まえ、公共VEが成果をあげるための課題を明らかにし、その解決策を示す。

これまで公共事業では、社会経済の高度成長期にあって、整備目標に向かって求められる施設を早く大量に作ることが求められてきた。そして高度成長期が終わり、多くの公共施設が整備された今、求められているものは「良い公共施設から得られる良いサービスの維持」である。また、豊かになった社会は多様なニーズを生み、公共施設には新しい価値が求められている。

このような価値観の変化に柔軟に対応しサービスを維持しつづけるために、公共事業ではこれまでの施設の維持管理システムを見直し、新たな施設の維持管理システムを構築することが緊喫の課題となっている。

本稿は、公共施設の維持管理システムを構築するうえでVEを適用することが有効であることを明らかにするものである。そして、システムを構築するうえで重要な視点となる「整備水準の設定」「VEを適用した資産価値の評価」「ワークショップによる維持管理システムの構築手法」について示し、これらにVEを適用することにより得られる効果について具体的に述べる。

土木事業の設計VEは、事業全体の価値向上に対して有効であることは筆者が過去10年間の研究および実務を通じて徐々に証明してきた。しかし、事業は単品生産で分野も様々であるため、全面的に適用するにはかなりのハードルを越えなければならないと思われる。

本論文は土木事業の要である発注者が行うインハウス設計VEについてのマネジメント方法を実施例と交えながらコントロールポイントを論ずるものである。

公共事業は、利用者や事業工程など、一般の製品やサービスと異なる視点が存在している。公共事業へのVE適用が急増する近時において、その視点に沿った新しい価値の評価方法が必要となってきた。

そこで、新しい視点の整理をすると同時に、新しい評価方法を導くことを試みた。まず、公共事業を評価する上で必要な要素を、機能、コスト、時間、手間の4つを抽出した。そして提案する評価式は、これまでの機能とコストの2つの要素で表現されていた式から、機能、コスト、時間、手間の4つの要素で表現する式を導き出した。

この新しい式は、これからの公共事業の価値をより正確に評価するために活用できるものであると同時に、製品やサービスにも転用できるものと考える。

土木事業は民間では採算の取れない社会資本を整備することが一貫した使命である。近年は、政府の財政難により様々な場面でコスト縮減が図られてきた。

コスト縮減手法としてBOT、CM、NPM、PFI、PPP、ISOなどを次から次へと土木事業関係者に取り組ませたが、本質的に効果が表われた場面は少ないと感じる。また、コストは縮減されたが品質、機能に問題が残った場面も多々ある。コストと機能を満足させるバリューエンジニアリングは上記の問題点を解決できると考えられる。

今まで国内では土木事業で整備された社会基盤が立派に日本の成長を支えてきたことは否定できない。しかし、新しい時代の社会基盤にはユーザーの要求に応えられる価値を持たせなければならない。1970年代から国内では様々な分野で価値専門家CVS(Certified Value Specialist)が価値向上を図ってきたが、その経験を活かせば十分に土木事業に新しい価値を付加できると考えられる。本論文では土木事業の特徴や課題を整理し、CVSが能力を発揮できる方法を論じ、土木事業の価値向上施策のきっかけを示す。

日本の社会資本整備は、「標準多量型整備」から「個別吟味型整備」へ移ることが求められている。そのためには、「改善」という概念の導入が設計段階に必要となる。VEは、公共事業の改善に有効なツールである。しかし、その適用は、個々の業務で考えるのではなく、事業全体で考えなければ大きな効果が得られない。すなわち、バリュー・マネジメント(VM)である。

公共事業へVEを導入するためには、5つの制度と4つの環境をシステムとして整えなければならない。5つの制度とは、①人材育成のための教育制度、②効果的適用のための適用制度、③改善効果を上げるための実施制度、④品質を確保するための評価制度、⑤動機付けのための報酬制度である。また、4つの環境とは、①積極的な適用のための競争環境、②繰り返し適用するための改善環境、③外部技術者の適用のための契約方式、④旧来の制約から解放された法律体系である。

本論分では、これらの9つの制度や環境を統合し、VEシステム体系として位置付け、相互の有機的関連について新しい提案とした。さらに本提案の有効性をO県で実証した。

公共事業に設計VEを適用する事例が、ここ数年増えてきた。しかし、製品やサービスのように、大きな改善効果が得られないケースがあるのはなぜなのだろうか。事例を重ねることによって、公共事業の特質と設計プロセスのマイナス要因が、重要な鍵となっていることが判ってきた。

そこで、本論文は、公共事業に設計VEを適用するために必要となる公共事業の特質と、大きな改善効果を出すための設計VEの適用方法と、さらに、将来の公共事業へのVEの新しい活用展開を提案するものである。

公共事業の事業者は、社会資本整備を進めなければならないという社会的責任と、景気低迷や少子高齢化がもたらす税収不足による財政難とにより、新たな問題解決の方法を求めている。VEが、公共事業の価値向上を実現し、より良い社会資本の構築のために、活用される時期に来ている。

この論文は、筆者のこれまでの体験をもとに、公共事業におけるVEのメリットを最大限に引き出すことを狙い、VEの新たな展開と発展を図るものである。

国内の産業界にVEが導入されたのは1960年代と言われている。導入当時は自動車と電機などの産業が中心であった。建設関連業界も製造業に遅れ、1970年代に建築を中心に推進し始めた。しかし、40数年後の今はVEの導入結果は10年差どころか建設関連は相変わらず開発途上の状況になっている。

最盛期は年間で約70兆円あると言われている建設産業の規模は景気の低迷の今も縮小現象が続いている。一方、公共事業だけを見ると、縮小傾向にあるといわれてもいまだに50兆円前後の規模になっていて、大半は土木事業に費やされていると推定できる。なお、上記の公共事業の50兆円には民間投資が含まれていない。また、公共事業の中に土木事業の割合は公的データがないため現在は調査中である。

本論文は土木事業にVEを定着させるためVE関係者がなにを理解しなければならないか、またはなにをしなければならないかについて提案し、土木事業の価値向上のためのVE推進に資したいと考える。

建設業者の殆どがISO9001の認証を取得している。この基本コンセプトは2000年の改訂で、従来の「品質保証」から、品質マネジメントシステムに変わった。その目的も、顧客要求事項を満たし顧客満足向上へと広がった。又、経営者の責任がより明確になり、品質マネジメントの8原則を経営に生かし、経営と組織の一体化や顧客満足を測定・分析してシステムの改善を図り、顧客満足を高めるなど、実用的なシステムへと変わった。

しかし、これらは規格の構成や表現が改善され利用し易くなっただけで、システム確立の方法論は示されていない。この論文は、経営資源を有効活用して、施工品質向上及び、その有効性を高め、継続的改善の成果を向上するVE活用に関する研究論文である。