論文カテゴリー: マネジメントとVE 58件

IEは衆知のごとく,テーラーの科学的管理法にはじまる伝統的管理技法であり,わが国に導入されてから久しいが,近年,賃金の高騰,人手不足による省力化の必要性から,ふたたび見直されてきた。

また,VEを進めていく過程で,すでにIEの基盤のあるところは別として,一般に標準時間の未確立によるコストデータの不備が改めて認識され,遅ればせながら,IEの導入に踏み切った企業も少なくない。

以前,わが国が,まだ人手不足の経済でなかった時代には,IEのニーズはあまりなく,むしろQC,VEを重点的に採り入れた企業のほうが多かったようである。

全社的に,ただ1つの管理技法に努力を集中している時は,問題にならなかったが,途中から別の管理技法を併行して導入するとなると,企業によっては,それらの間の関係をどのように位置づけ,理解,統合したら良いか混乱することも十分にあり得る。とくに親企業から種々の管理技法の導入を勧告されても,中小規模の協力企業では人材も少なく,なおさら上記のような事態がみられるのではあるまいか。

この問題は,IEをどのように定義するかによっても,取上け方が違ってくる。VEをはじめ,多くの管理技法は,広義のIEにふくまれてしまうが,それでは主題の解決にはならないので,ここではIEを,狭義のIEすなわち,作業研究に限定し,VEとの関係を取扱うことにする。

どのような管理技法にしても,時代とともに,適用の場所,対象,時期,要求に応じ得る範囲を拡大し,それぞれ精緻な手法も漸次,開発されて内容が豊富になり,往々にして,あたかも1つの管理技法のみで,あらゆる経営管理上の問題が解決できるかのように信じられることがある。

しかし,管理技法は,あくまで手段であり,それ自身は目的たり得ず,また,1つの管理技法のみでは限界があることも否定できない。すなわち,それぞれの管理技法が相補関係にあることを理解し,各技法の利点を良く認識し,企業目的のためにうまく統合活用してこそ,はじめて意義がある。

この論文では,プロジェクトワークを中心にして,IEとVEの特徴を考察し,とくにIEの場合,問題定式化のフェーズが重要であることを指摘した。そして問題解決のジョブプランを基本とし,これに手法を組み合わせたWSS方式による教育訓練プログラムを開発,実施したところ効果が認められたので,統合のあり方を方向づける一例として,その内容を提示する

VAが,わが国に導入されて10年を経過した。この間,VA思想の企業への浸透は,めざましいものがあり,VAの対象も部分から全体,そして総合化へと,遂次,拡大の一途をたどってきた。またVE技法はセカンドルックを中心としたVAから,ファーストルックをめざすVEにと,発展拡大してきたことは,周知のとおりである。

最近の価値概念の変化は,大きく拡大しつつある。使用価値の向上に限定された初期のVAに比して,最近の傾向は,エスティーム・バリューをも対象とした,感覚機能に重点が置かれた,広い価値概念に対象が拡大化してきたといえる。今やVEは,単なるコストダウンの有力な手段にとどまらず,広く顧客の要求を満たすマーケッティングの中にあって,商品の価値を高める,そして具現化を計る強力な一助を担うVEに,成長したとみるべきであろう。

一方,企業内活動においても,ソフトウェア面で,価値向上をめざす努力がなされている。"物"を中心として発展し,半ば成功をおさめてきたVEの適用局面も,その基本姿勢ともいえる価値概念を,ソフトウェアの効率向上面に拡大しつつある点も,指適できよう。

このように10年を経過したVE,そして,これまで未開発であった局面に,VErの活躍の場が展開しようとしている'70代に,VErとして,企業から何を期待され,また,どのように応えるべきかについて考察を試みたい。

最近のVEの一般的傾向として,機能を向上させることもVEであるとされている。また,今後はその傾向がより深められる,といわれており,現に,その方向にVEを推進してゆこうとしている企業が多くなりつつある。

しかし,従来からの機能を一定でコストだけを下げる,が本当は本流ではないだろうか?また,機能向上ということは,一体どの様なことなのだろうか,従来の機能一定と,どのように違うのだろうか,設計段階のVEでも機能向上があるのだろうか? 以下考察してみよう。

VEとは,その製品とかサービスの機能(目的とする働き)を最低の総コストで達成するために機能を分析し,価値を最大にするための組織的なチーム活動である。

VE活動を活発化するためには,企業トップの明確な方針により営業部門の受注活動より販売後の保守サービスに至るまでの総コストを最小を最小にするVE活動の管理が重要となる。

従来は,とかく日常業務はそのまま担当させ,従業員個人またはVEチームの自発的な努力に期待し,VE活動推進の環境整備をおこたり,VE予算の裏付けもせず,いたずらにVE低減目標のみ過大な要求を行なうなど,VEに対する投資を過小にする企業のトップが少くなかった。VEの効果は,その投資額に比例して増大されることを自覚し,国際的なコスト競争に打ち勝つVE推進の総合化を,早急に実現させるべきである。

1. 最初に三つの言葉を提示しよう。多くのVErは,VEを論ずる時,これは的はずれであると合点し,とまどうかも知れぬが。

(1) 正しいはかりと天びんとは主のものである,袋にあるふんどうもすべて彼の造られたものである。

(2) 相はかることがなければ,計画は破れる,はかる者が多ければ,それは必ず成る。

(3) 全地は同じ発音,同じ言葉であった。時に人々は,東に移り,シナルの地に平野を得て,そこに住んだ。彼らは互いに言った。「さあ,れんがを造って,よく焼こう。」こうして彼らは,石の代りに,レンガを得,しっくいの代りに,アスファルトを得た。彼らは,また言った,「さあ,町と塔とを建てて,その頂きを天に届かせよう。そして,われわれは名を上げて,全地のおもてに散るのを免がれよう。」時に主は下って,人の子たちの建てる町と塔とを見て,言われた,「民は一つで,みな同じ言葉である。彼らはすでに,この事をしはじめた。彼らがしようとすることは,もはや何事も,とどめ得ないであろう。さあ,われわれは下って行って,そこで彼らの言葉を乱し,互いに言葉が通じないようにしよう。「こうして主が彼らを,そこから全地のおもてに散らされたので,彼らは町を建てるのをやめた。これによって,その町の名はバベルと呼ばれた。

以上聖書より

2. VEをツールとしてVErが自からの生命を企業に奉げんとしている時,"VEを経営の中に組み込み体系化しなさい"と言うことや,"VEをコストダウンプログラム,また,新商品開発プログラムで充分活用しなさい"と言うようなことは,よく耳にすることである。VEの具体的な展開方法については,確かに,充分に論議し,研究しなければならないであろうが,われわれは,今,VEの根本,VEの本質までさかのぼって,討議する必要もあるのではなかろうか。

3. V=F/C(V:価値の尺度,F:要求機能,C:総コスト)

これは,われわれVErが見慣れている式である。ではVErに尋ねよう,「価値が高められた,損われたというが"価値をはかる正しいはかりと天びんは何んですか。何を基準にして価値を判断していますか。機能とコストのバランスによる?それならば,そのバランスは何を基準にして判断していますか」

次に尋ねよう,「あなたがたは,よく計画を立てるが,それは生かされていますか。実施され,成果を得ていますか。計画が破れる? どうしてですか?」

最後に尋ねよう,「あなたがたは懸命に働らいているようですが,一体,何をしているのですか。何を造っているのですか。

4. 開放経済のなかで,VEはあらゆる時と場で適用され,いろいろなものをどんどんと生み出していく。しかしながら,本質的な問題が解決されないままのVEは,VEと呼ぶだけの値打ちをも持てなくなるのではないかと考えるのである。

この問題を解きながら,ここに,これからのVEのあり方として,Value Design(VD)を提唱する。

5. Value Design(VD)という言葉自体は,過去において,何人もの人々によって,述べられたことなので,何も新しいことではない。ただ過去においては,デザインというので,即,物の形態や色彩をどうすべきか,などの点とVEとの関係において,問題をとらえていた感が強く,デザインの本質までには触れていなかったようである。

ここでいう "Value Design" とは,本物のVEとは,デザインの本質を包含しなければならぬことを意味し,これが,今後のVEの姿勢であろうと考え,推奨したいのである。

VA手法が導入されてから,既に,10年が経過している。導入当初,部品に対する分析から始まって,製品・装置へ対象が移行して行っている。これと並行して,各ステップ毎のVA手法も研究が進み,対象の変化に応じて,展開が可能になって来た。

当社では,VA活動の企業内の定着は,経営幹部の理解と,承認が,最も,効果が大である点に着目し,VAの効果を,経営効果に反映させることを最終目標とし,工場単位の,収益改善計画としてのVA活動の投入,受注から発送迄の,各段階におけるコスト効率を高めることを目標とする。

このような,経営活動そのものに対する,VA活動の適用は,経営活動の広範囲な分野に対し,高所からの,マクロ的な視野による,問題点の摘出が必要で,それら,対象となる問題点の多様性に応じて,解決のための戦略を立案しなければならない。

従って,環境によって,極めて,特異な性格を持っている問題点に対しては,個々の具体的な手法そのものよりも,VA活動の計画,すなわち,広義の対象選定の計画立案が,より重要な課題となる。

今後,予想される材料費の上昇,人件費の高騰,労働人口の減少等,山積する問題点をかかえた企業経営は,戦略的なVA活動の投入によってのみ,健全性を確保出来ると考えられる。

本論文は,取り上げられた対象機種が「経営の川」を流れてゆく過程で,どの領域にVA的攻撃の的をしぼるかを,戦略的に決定し,実施した事例を挙げて,その効果が,経営の業績を直接向上せしめた実証を示したものである。

最近の企業の置かれている立場,環境は,非常に厳しい。特に,その技術革新による商品ライフサイクルの短いこと,価格の低減が急速であり,創業者利潤をむさぼっていられないこと等,企業努力は並々ならぬものである。その中でも労働賃金の高騰に対し,利益を確保してゆくため原価低減には,企業は必至の努力を払いつつある。その中でVEという原価低減の手段は,有力な武器として企業にみとめられ,ここ数年来急速に進展して来たことは否定できない。しかし一方,10数年前にGEのマイルズの創始した古典的VE「敢て古典的といわしてもらう」にも,考え方,プロセスの上でも修正を大幅に加えられる時期に至っている。すなわち,この1970年代の変化と,技術革新に即応するVEとしては,余りにも受身的発想から出発していると思われる。そこで今後の時代変化に対する1,2の考え方を述べて見たいと思う。

"VEとは何か"について,数多くの定義づけがなされているが,その根底に流れるものは,確立された組織をもて,要求された機能を最底のコストで満足させるための手法であるといえないであろうか。従ってVEを展開する上で組織編成を如何に行なうかが,1つのポイントとなる。

しかし,一概にVE組織といっても,企業形態・規模・生産品目などにより異なるであろうし,また,その企業に適した組織編成をしなければ,VE効果を100%発揮させることは出来ないであろう。

そこで,VE組織とは一体如何なるものか。どのような構成を計らねばならぬか,という問題が生じてくる。

本論文は,このVE組織の問題について,アッセンブリメーカーである当社の例をとり纏めたものである。