論文発行年度: 1994年 VE研究論文集 Vol.25

市場では、ソリューションサービスについての必要性が叫ばれており、これへの対処として、各企業はいろいろな方策を検討しつつある。

本研究もこのための1つのアプローチとして、この分野にVEを適用してみた。それは、提案営業の一環として、問題点がモヤモヤして具体的に提示できないお客様に対して、お客様の価値を指標化して定量的に定義・把握し、お客様の潜在的問題点を抽出する。そしてそれをベースに、改善策を創造し、提言していくための手法である。

当社は情報処理会社であるが、本手法により、お客様の問題解決のために、適切な情報技術を効果的に提案し、提供することができ、お客様が期待するソリユーションサービスが実現しつつある。

建設産業の近代化、合理化、構造変革と大きな転換期を迎える中で、我々、専門工事業の体質及び組織の自己変革が求められ、今までの慣習を捨て、企業として新たな組織つくりが重要な経営課題となった。

ここで我々の経営活動に価値を創出するには、どの様な思考プロセスを身につける必要があるかと言う点で、環境変化情報と我々の願望とを読み取り、現在との比較を行いながら取り組んだ「組織変革へのアプローチ」の検討内容を提示する。

建築生産における商品開発という側面をみると、一品受注生産であるがゆえに、個々のプロジェクトにおける業務プロセスの大部分を対象としている。つまり、ルーチンワーク(通常業務)そのものが商品開発といえる。

一方、社会経済情勢が大きく変化している現在、従来の生産者主導の価格形成から市場価格主体へと、マーケット・ニーズが激しく変わってきた。このような状況下における商品開発に対応するために、コスト管理がより重要となり、特に事業企画といった川上段階から、生産プロセス全域に渡り、適用されつつある。

このように広範囲に渡ったコスト管理システムは、多少の欠落部分はあるにしろコストエンジニアリングの領域に著しく近づきつつある。このような段階においては、VE活動・組織・プロジェクト管理システム・ツールとしての概算見積り手法等、幅広い仕組み作りが必要であり、これらを洗練化させてシステムを構築しなければならない。

本橋では実務面からコストエンジニアリングによる商品開発の方法論と、活動の実際を述べる。

VE活動において、ジョブステップを順に実施して、多数のアイデアを得る所までは、着実に到達できる。しかし、多数のアイデアの中から、良い改善案をつくるまでの各ステップはチームメンバーのスキルに非常に影響される活動であり、この各ステップが結果の成否を左右する。

本論文は、アイデア発想から具体化・洗練化のステップに至るまでの間のアイデアの組合せの仕方について、まず現在の方法の問題点を明らかにして、そこから解決するポイントを整理した。そして、問題点を克服する新しい技法を提案した。

これにより個々のアイデアを組合せてまとめる際の段差を着実に登り、製品に結び付ける事を助けることを意図した。

近年、教育訓練の分野でVA適用の期待が高まっている。本論文は、戦闘機用のパイロット養成を狙いとしたフライト・シミュレータ訓練価値について、基本的な考え方を述べたものである。

戦闘機パイロットの操縦能力には、操縦資質、操縦技術、戦闘技術、空中感覚及び空中判断が必要であると考えられるが、このうち、操縦技術と戦闘技術はシミュレータ訓練の得意な領域である。シミュレータ訓練における意義とは何か。また、実際の航空機を使った訓練と比べ、訓練課目、訓練の重み、訓練の有効度はどうなのか。

ここでは、シミュレータを使ったパイロットの訓練機能について問題提起すると共に、その価値を判断すべくケース・スタディを試みた。

今日、顧客の価値観やライフスタイルの多様化、個性化が進み、顧客動向を把握することが非常に困難となってきている。さらに、製品のライフサイクルの短縮化にともなって、「ヒット製品」や「売れる製品」が生まれにくい状況となってきている。このような状況において「売れる製品」を生み出すためには、顧客の欲求を満たす製品を作る方法論が重要である。この方法論が、製品企画段階における合理的な製品コンセプトづくりの方法、すなわち、コンセプト・エンジニアリングである。本研究は、コンセプト・エンジニアリングの新たな方法を展開したものであり、この方法を筆記具に適用し、その有効性を明らかにした。コンセプト・エンジニアリングの主な内容は、製品のソフト機能の評価法、ならびに、ソフト機能による製品特性の評価法を提案し、その評価法から得られる諸結果を統合して、製品コンセプトづくりへ活用するものである。

4年前にVE全国大会の研究論文として発表した現状打破の技法「WHY? & REALLY?法」の適用事例と基本の考え方を関西地区のVE大会にて発表する機会を得た。

その結果、大会参加者からかなりの高い評価を得ることができた。

また同手法を当社におけるVE活動の種々の局面で展開した結果、開発当初予想していた以上の応用領域の広い手法であることを改めて認識することが出来た。

そこで、展開の過程を踏まえながら、同手法を再分析し、展開編として報告する。

VEの基本的指針ともいえる「価値向上の原則」は、他の手法には見られない極めて特徴的な理念である。しかし、この「価値」とは分子分母の関係における比率尺度であること、そして必ず比較対象を有する相対尺度であることから、環境条件や観測者の違いによって様々な評価がなされ、その取扱いに苦慮する場合が多い。とりわけ、近年の急激な環境変化や価値観の多様化は、売れる商品づくりのための「価値の見極め」を一層困難なものとしている。

本稿では、顧客が認める価値のメカニズムを明らかにし、それを感度良く捉えることで、顧客ニーズを見逃すことなく構想案の提案まで持込むための一連の考え方と手順を検証された一手法として紹介する。

顧客自らによる評価を機能評価の段階で取り入れることは、より顧客のニーズに合致した改善案を生むために有効である。

ここでは、(ゴルフ場建設の)設計段階のVEを事例にして、抽出した機能をアンケート調査によって収集した顧客の評価要素によって機能評価する方法を検討した。

評価法には数値解析を用い、美しい、使いやすい、安心できるといった定性的な評価要素を定量化し機能と関連づけることで、より客観的な機能評価ができるようにしている。