Value Excellence - バリューエンジニアリング
Photo


ご質問はこちらへ

社団法人 日本バリューエンジニアリング協会



  VES合格体験記

● 東日本旅客鉄道(株)   吉岡 恵 VES

 VES受験の動機は、VES合格の翌年にVEの技術や知識を深め、VEの活用と推進に役立てようと思い、認定試験を受ける事を決めました。
 しかし、受験資格要件の中で、VE学習歴48時間以上のVE-WSS受講経験(今まで未受講)が必要であったので、その年のVES受験はあきらめる事にしました。
  次の年にWSSを受講してみると、実務や自社教育資料作成等で自分なりにVEを分っているつもりでしたが、VEの概要、考え方、詳細ステップの目的・手順の流れ、VE管理等の基本について自己流にアレンジして誤った解釈をした内容が多かったと思いました。
 VE-WSSは受験のための受講ではなく、VEの基本を誤りなく正しく理解する上で必要な学習だと改めて思い知らされました。WSSでの講師の方には、この場を借りて御礼申し上げます。
 さて、VES受験準備ですが、再度、新VEの基本に書かれている内容を熟読し、特に「VEの定義」「VE5原則」「VE実施手順の各ステップの目的と概要」「VE管理」が大切と考え、自分でVEの教科書をつくる気持ちで簡潔に整理する事としました。整理した内容については、自分の言葉で筆記できるか練習を繰り返しました。
 試験内容は記述式が多く、質問の意図している内容を限られたスペースの解答欄に、簡潔明瞭に決められた時間内に書くこと、またケーススタディでは、チームリーダーが判断するような設問もあり、普段実務で壁に当たった時の経験などを書き留める習慣をつけることも受験対策に良いと思います。
 VESの資格取得を契機に、VEの基本技法を柱に、応用可能な管理技術を織り混ぜて、VE技術の向上と発展を目指して参ります。

 

● 日揮(株)   斉藤 正樹 VES

 私がVESを受験したきっかけは、VE活用をより広範囲に押し進めていくために、資格を取得して社内にVEの専門家として認められる必要があると考えたからです。その理由は、弊社の業務領域であるプラント業界に今までの一般的なVE手法をそのまま適用しにくい現状があるからです。
 当初、私はVESの具体的な試験対策をどのように行ったら良いのか分からなかったため、とりあえず「新・VEの基本」を丸暗記するつもりで読み始めましたが、多くの時間が取れず不安を感じていました。しかし、1回目の挑戦でVESに合格することが出来ました。この原動力は、受験要件を満たすために受講した日本VE協会主催の「バリュ−・マネジメント実践塾 テクニカルスキルコース」にあると思います。
  私は、本講座を通して“VEの専門家として理解しておくべき事柄”、“VE活用をより効果的に行うために気をつけなければいけない事柄”、“VE技術を第3者に簡潔に説明するにはどうしらよいか”の3つを学びました。本講座の内容を私自身の受験対策とし、VEの基本、実施手順及び適用の管理について復習して試験に備えました。さらに、本講座でお話した多くの参加者がVEについて深い知見と向学心を持っており、非常に大きな刺激を受けました。実際の試験では時間に追われてかなり苦戦しましたが、受験対策が有効に働き、なんとか満足のいく答案を作成することが出来ました。これからVESの受験を考えている方には本講座の受講をお勧めします。本講座は受験要件を満たすだけでなく、必要なスキルと受験対策を示してくれたと感謝しています。
  今後は業務別部会などに積極的に参加しさらなるVE技術の向上に努め、CVSを目指したいと思います。また、VEの専門家として、プラントに対するVE活用を社内だけでなく顧客と合同で行う事も推進し、より大きな実績を挙げたいと考えています。

 

● (株)朝日工業社   小林 智 VES

 VES受験を終え、ブラッシュアップ講座を共にした方々に別れを告げた後の地下鉄で、結果はともあれ、答案をすべて書き込むことができた充足感に満たされたことが、今でも思い出されます。
 私がVES受験を決めたのは、社内におけるVE普及役であることもさることながら、昨年度より参加している建設VE情報交流会での影響が大きかったように思います。
  交流会でのCVS、VESの方々のVE経験や知識、所属されている社内での活動は、VELを取得したばかりの私にはかなりのハイレベルであり、自分自身のレベルアップが急務であることに気づかされたのです。
  幸いにも、VES取得へ向けたブラッシュアップ講座がタイミング良く始まり、参加されている方々の熱意にも後押しされ、新たなVEへの情熱を蘇らせることができたのでした。
ブラッシュアップ講座を終えてから受験までの1.5ヶ月間は、講座における講義内容を思い出しつつ、受領した資料を頭の中に叩き込む訓練をしました。それも、少しの時間でもできるように、子供から拝借した単語帳を利用したのです。おかげで、通勤や出張の電車の中でも、効率よく覚えることができたように思います。何十年も前の学生時代を思い出しながら、恥ずかしい気持ちを抑えて実践したのですが、それが却って新鮮で役に立ったように思います。
  VES取得後は、様々な場面でVE普及に貢献できればと考えています。
 最後に、ブラッシュアップ講座でご指導願った講師の方々に感謝をすると共に、同じ講座を受講して、VEへの熱意をいただいた方々の今後のご活躍に、エールを贈らさせていただきます。

 

● キヤノン(株)   金親 正典 VES

 私はVE推進室という部門に所属し、スタッフの立場からラインに対する、VEの教育・啓蒙・実践の仕事をしております。この職場に異動になったのは2002年1月ですが、以前からVEに興味があり、2000年にVE−公開WSSを受講し、2001年末にVESを受験、幸いにも1度の挑戦で合格の知らせを頂くことができました。
 振り返ると、1年以上の勉強期間を取っていましたが、実際に本腰を入れて勉強を始めたのは、試験4ケ月前の7月頃からでした。
 どのような勉強をしたかというと、やはりバイブルである「新VEの基本」を精読しました。その際、「VE用語の手引き」は辞書として、「新・VE入門Q&A」は実践活動との結び付けとして常に横に置き、疑問が生じたらその都度確認することを心掛けました。全体との関連を常に意識し、個別の項目を理解する上で、この3冊をセットで読むことが大きく役立ちました。
 頭と身体への擦り込み工程ですが、まず、自作の『Q&A』を常に持ち歩き、何時でも何処でも時間があればブツブツと念仏を唱えました。そして最後はとにかく書きました。それもバッグの中には、筆記用具はもちろん、画板(紙を挟む機能を持った下敷き)も入れ、通勤時間も書きました。周りには変な人に見えたことと思いますが、開き直ると通勤時間も貴重な勉強時間となりました。
 最後に、この場をお借りしまして、アドバイスを頂いた諸先輩方、家族サービスができなくても文句一つ言わず、週末の図書館通いに協力してくれた家族に感謝します。今年VESを受験される方々の健闘を心からお祈り致します。

 

● 石川島播磨重工業(株)   松澤 郁夫 VES

 「聞かれていることに答える」…私のVES受験者へのアドバイスはこれに尽きます。VES試験はとにかく2時間書き続けです。まさに文章力を問われる訳ですが、設問と答のズレに気を付ける必要があります。例えば、「VE5原則の意義は?」と聞かれているのに、「5原則とは何か?」を説明しても意味がない訳です。まず「何を聞かれているのか」を考える。その次に、「それに答えるためには、まず何を言えばよいか」を考える訳です。私はこれに、1〜2分を費やしました。
 VES試験では単なる用語説明は少なく、「意義は?必要性は?重要性は?」という聞かれ方をします。これらは「どんな良いことがあるのかを述べよ」という意味でしょう。
 例えば、「機能的研究の重要性は?」と聞かれたら、
   ●視野を広げて創造力を刺激すべし。
   ●機能本位に考えると視野が広がる。
   ●機能的研究では機能本位を徹底できる。
 したがって、機能的研究法は重要…最低この3つのポイントは落とせません。
 このように、主張しようとしている内容を裏付ける「切り口」を落とさないことが重要です。それさえ見つければ、あとは、論理接続詞でつなげば文章は意外と簡単にできあがるでしょう。邪道かもしれませんが、「対象の本質を捉え」とか、「満足の度合いを向上し」とか、「観点を変え視野を広げて」など、VE特有の言い回しを多く身に付けておくと、短時間で文章を作るときに効果的と思います。とにかく、手と目を使ってたくさん書きましょう。ありがちな設問をいくつか決めて自分の言葉で回答例を作り、誰かにチェックしてもらいながら何度も何度も書いた方がよいと思います。頑張ってください。
 最後になりましたが、VES受験に際し多くの方々にご指導いただきました。この場を借りてお礼申し上げます。

 

● ティアック(株)   猪上 大助 VES

 VES受験の動機は、昨年の5月にある方の壮行会に参加した際、その場に参加されていた方々から強くVES受験を奨められ、VES受験宣言をその場でしてしまったことです。少々不純な動機かと思われますが、逃げ道を絶たれたことで受験する決心がつきました。
 7月下旬から、2000年に受講した72時間公開ワークショップセミナーに参加したことを思い出しながら、新・VEの基本の要点まとめを行ったり、新・VE入門Q&AとVE用語の手引きを用いて、穴埋め問題や語句暗記帳を作成したりして勉強していたのですが、試験への不安感がなかなか解消されませんでしたので、10月に開催されたVE実践塾のVE活用ブラッシュアップ講座に参加することにしました。
 講座は演習問題と講義で進められ、文字通り、VEの基本をブラッシュアップでき、最後の追い込みに役立てることが出来ました。
 試験内容ですが、VES合格体験記で皆様が記されている通り、VEとしての専門知識とその理解度が問われます。また、試験問題のほとんどが記述形式なので、考えをまとめて記述しようとすると、予想以上に時間が掛かります。それらの対策として、例えば語句説明などは、VEを知らない人に理解してもらえるように心がけた文章をある時間内で書いてみて、それらを他の人にチェックしてもらうと良いと思われます。また、身近な日常品を例に機能系統図を作成することもお奨めします。
 最後に、VES受験に際し、家族の協力と多くの方々にご指導を頂きました。この場をお借りしてお礼申し上げます。

 

● (株)ミツバ   一木 亘 VES

 私がVESを目指すきっかけとなりましたのは、VE実践塾への参加でした。私は自己啓発の一環で8月下旬に製造VE、9月、10月に設計VE及びVEブラシュアップ講座を受講しました。最初の製造VEの講師を務めていらっしゃいました先生、そしてVESを目指して実践塾に参加していた受講者の方々に受験を進められたのが動機となり、『ダメモトでチャレンジしてみよう』という気持ちで、9月中旬頃に受験を決意しました。
 受験日迄、2ヶ月しか時間がありませんでしたので、まずはどのように勉強を進めていくかを考えました。幸いに弊社にはVES資格保持者がおりましたので、試験問題の動向や記述、論文問題についての表現の仕方等を伝授して頂きました。
 2ヶ月間の勉強の配分としては最初の1ヶ月間は新VEの基本、VE用語の手引き、そして伝授して頂いた情報を基に作成したオリジナルテキストの回し読みを行い、後の1ヶ月間は主に書き込んで手に覚えさせるようにしました。正直な話、読み込みだけでは頭に残らず、書き込みに頼るしかない状況でした。帰宅後は疲れて勉強中に居眠りをする事もしばしば有り、受験日2週間前辺りから勉強時間を早朝へシフトし、眠い目を擦りながら勉強を続けました。
 自分なりにやるだけのことはやった?つもりでしたが、受験本番では時間に余裕も無く、記述、論文でうまく解答が書けず、撃沈したなと思いました。合格の案内が自宅に送付された時は目を疑ってしまいましたが、時間が経つにつれ合格と言う2文字の重みを痛感するようになりました。
 最後にこの場をお借りしまして、実践塾でお世話になりました先生方、実践塾に参加していた諸先輩方の皆様、受験するに辺りバックアップをして頂いた会社の先輩VESの女屋さん及び職場の上長に心から感謝致します。

 

● (株)北野組   加賀谷 哲男 VES

 これからVES合格を目指す皆さん、努力が報われて喜びが来ることを念じております。二回目の受験で辛くも合格しましたが、日頃の実務以外の時間での受験勉強は眠気と昼間の疲れとの戦いでした。
 建設業に従事する私ですが、生き残りの厳しい業種のひとつと、常日頃から感じております。他社との差別化を図る手法としてVEの活用と推進に努力しております。
 さて、VES受験のアドバイスを私なりにさせていただきます。
 年齢から来る記憶力の低下のため、学習にはかなり苦労させられました。文章を丸ごと覚える事は苦痛ですし忘れやすいと思います。そこで、実際のVE活動を頭の中でシミュレーションしながら覚えると、印象に残りますし記憶しやすいと感じました。皆さんも実行してみてください。特に、VE適用の管理の学習には効果を発揮します。
 用語の意味については自分なりの用語集を手書きで作ることをお薦めします。それらを用いて反復して覚えるとよいでしょう。
 それから、覚えたことは必ず筆記して、確実に表記できるか、どれ程の時間で書くことができるかを確認してみることが必要だと思います。文字を書く事は思いの他手間がかかります。 実際の試験では、 私も覚えていても筆記する時間が足りない程でした。
 最後になりますが、受験勉強に近道は無いようです。VEの基本について万遍なく勉強するしか方法はありません。
 諦めずスキルアップに繋がることを考えて、日々積み重ねの学習をしてください。受験者皆さんの健闘をお祈りします。

 

● その他の体験記も見る

会報誌NO.218 会報誌NO.219 会報誌NO.220 会報誌NO.221
会報誌NO.222 会報誌NO.223 会報誌NO.224 会報誌NO.225
会報誌NO.226 会報誌NO.227

会報誌NO.228

会報誌NO.229
会報誌NO.230 会報誌NO.231 会報誌NO.232 会報誌NO.233
会報誌NO.234 会報誌NO.235 会報誌NO.236 会報誌NO.237
会報誌NO.238 会報誌NO.240 会報誌NO.241 会報誌NO.242
会報誌NO.243 会報誌NO.244 会報誌NO.245 会報誌NO.246

 


>> 「VEスペシャリスト」トップページへ戻る